ちゃいぺるブログ

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タイ族民話翻訳 太陽と月

こんにちは。

 

今回は、中国雲南省西双版納に住むタイ族にまつわる民話を翻訳してみました。

『太陽と月』というお話です。

タイ族の太陽と月についての見方がよく現れている、面白いお話でした。

また、月が涼しげな形で描かれているところも熱帯地域ならではの価値観なのかもしれないと感じました。

 

 

『太陽と月』中国語版

太阳和月

很早很早以前,我们傣族居住的地方有一个国王。这个国王是天王帕雅英让神仙下凡来担任的。他担任国王三年,有了两个王子,大的麻脸,名字叫旱迪;小的那个潇洒标致,名字叫罕尖。父亲去世之后,长子罕迪就继承父亲的王位,当上了国王。

这个国王每年到了关门节和开门节的时候,他就上天去拜访天王。他每次上去,少的三个月,有时住半年也不下来。他从不关心老百姓的事情,只会压迫人民。别的村子和其他地方的敌人来抢掠,他也不抵抗。如果发生战争,他反而逃跑到天国去躲藏起来。人民团结起来战胜敌人之后,他才下来。这样,人民不分男女老少都很讨厌他。

有一年,国内发生战争,这次战争互相厮杀的时间特别长,但他怎么说也不下来率领人民进行抵抗。于是,弟弟罕尖就起来率领人民勇敢地杀向敌人,终于使敌人失败投降,因此,人民就拥护罕尖来做国王。

“现在不能让我做国王,我哥哥还要下来。”罕尖说。

“没有什么,他爱在天国,就让他在天国住吧!就是他下来,我们也不再要他当国王了。”百姓说。

“这样做可不行,他会率领天兵天将来杀我们大家的。”罕尖说。

“没有什么可怕的,如果你做了国王,不管什么敌人来打,咱们也不怕失败的。”罕尖拗不过人民的话,也就接受了人民的要求,当了国王。

罕尖当国王后不久,罕迪下来了。人民知道后,就一起去驱赶,将他赶回到了天国。罕迪回到天国后,就率领不少天兵天将下来。这样,战火就立刻在人间蔓延开来。但打了整半天,罕迪就被人民捉住了,他率领下来的那些天兵天将也被人民打得落花流水,抱头鼠窜。那些中矛,中炮,中枪而死去的,就变成了蚊子,苍蝇和旱蚂蟥,水蚂蟥。罕迪也被人民抛到大火塘里烧成灰烬。罕迪死后变成了太阳。现在每到六七月份,太阳又热又烫,蚊子,苍蝇,旱蚂蟥和水蚂蟥也就多起来了,这是因为罕迪死不瞑目,还想欺压老百姓。

罕尖当上国王之后,国家从此五谷丰登,人民安居乐业,生活也一天一天好起来,什么样的敌人也不敢来侵犯了。但不久罕尖得了重病,医治无效也就逝世了。老百姓不论男女老少都满脸愁容。罕尖出殡那天,老百姓去采摘鲜花插在罕尖坟墓的周围,以寄托对罕尖的尊敬,爱戴和怀念之情。罕尖死后变成了月亮,人民进献的鲜花就变成众多的星星绕着他。每当月亮出来,星星也都出来。由于月亮是好心的国王变的,所以他放出来的光辉也是凉快清爽的。

《西双版纳傣语基础教程》傣红亮 张公瑾/ 编著

 

『太陽と月』日本語版

 太陽と月

むかしむかし、タイ族住む場所にある国王がおりました。この国王は、最高神のインパが神仙に下界に下りて任命させました。国王となって3年になり、王子が2人おりました。

あばた面の長男は名前をハンディーといい、垢抜けた次男は名前をハンチャーンといいました。父親が亡くなってから長男のハンディーが父の王位を継承し、国王となりました。

この国王は、毎年安吾の頃になると、天に昇りインパを訪れていました。天に昇るたびに、少なくとも三ヶ月、時には半年も下界に降りてきませんでした。国王は、国民のことには関心がなく、国民を抑圧することしかできませんでした。別の村や地域の敵が襲ってきても、抵抗もしませんでした。戦争が始まれば、国王は天に逃げて身を隠していました。国民が団結して敵に勝った後、ようやく下界に降りてくる始末です。こうして国民からは嫌われていました。

ある年、国内で戦争が起こりました。この戦争では殺し合う時間が長引いてしまいましたが、どうしても下界に降りて国民を率いたりはしませんでした。そこで、弟のハンチャーンが立ち上がり、国民を率いて勇敢に敵に立ち向かい、遂に敵を降伏させました。このため、国民はハンチャーンを国王にしたいと支持しました。

「今は国王にはなれませんよ。兄が降りてこないと」とハンチャーンは言いました。

「問題ありません。あの方は天国にいるのが好きなのです。それでは天国に住んでいただきましょう。あの方が降りてこられても、国王でいていただきたくありませんよ」と国民は言いました。

「それではいけません。神兵神将を率いて我々を殺しに来ますよ」

「何も怖いことはありません。あなたが国王になってくださいましたら、どんな敵が攻めてきても負ける気はしません。」

ハンチャーンは国民を説得できず、国民の要望を受け入れて国王となりました。

ハンチャーンが国王になってから、ハンディーが降りてきました。国民がその事を知った後、団結して追い出し、天国に帰しました。ハンディーが天国に帰った後、たくさんの神兵神将を率いて降りてきました。

こうして、戦火は世界中に蔓延してしまいましたが、しばらく戦った後、ハンディーは国民に捉えられてしまいました。ハンディーが率いてきた神兵神将も国民にコテンパンに打ちのめされ、慌てふためいて逃げてしまいました。矛や大砲、銃に当たったものは、蚊やハエ、ヒルに変わってしまいました。ハンディーも国民に大きな火鉢の中に投げ込まれ、灰になってしまいました。ハンディーは死んでから太陽になりました。

現在、毎年6、7月になると、太陽は暑くなり、蚊やハエ、ヒルなどが多くなります。これは、ハンディーが死んでも死にきれず、国民を虐げたがっているのです。

ハンチャーンが国王になった後、国は五穀豊穣に恵まれ、国民は安らかに豊かに暮らしていました。暮らしは日に日に良くなり、どんな敵も攻めて来なくなりました。

しかし、しばらくしない内に、ハンチャーンは重病を煩い、治療も効果がなく、亡くなってしまいました。国民は老若男女みな心配げな表情でした。ハンチャーンが出棺される日に、国民は生花を墓の周りに挿し、ハンチャーンへの敬意や敬愛、懐かしさを託しました。

ハンチャーンは亡くなった後、月になりました。国民が捧げた花は多くの星々となり、彼の周りを囲っています。月が空に出るたびに、星々も共に出てきます。月は良い国王が変わったものなので、月の輝きは涼やかなものなのです。