こんにちは。
今回はベトナム語の声調についての記事です。
今回は、趣向を変えて、ベトナム語の声調についてご紹介します。
というのも、前回中国語とベトナム語についての記事を書きましたが、
それからしばらく中国語とベトナム語の関係についてさらに調べていたら、YouTubeで興味深い内容を見つけまして、記事にしようと思い立ったのでした。
ベトナム語の声調について
中国語学習者でベトナム語の声調もご存知の方は少ないかもしれませんが、上のベトナム語との比較の記事で声調についても書いていますので、ご覧ください。
通説では、声調は6つ
ベトナム語の各教材には、ベトナム語の声調は6つあるとされています。
上の図のような感じですね。
しかし、ベトナム語の声調は実は8つある、とする説もあるようです。
ベトナム語八声調説
下の表をご覧ください。
ベトナム語の声調を表にまとめたものに日本語訳をつけました。
どうでしょうか。今まで見ていた声調の表とは少し違いますね。
まず、音域が「高」と「低」に分かれます。
そして、音調が大きく二つ、分かれていますね。
音調の「平声」と「仄声」というのは、簡単にいうと、トーンが変化するかどうかの違いです。「平声」が変化しない(小さい)、「仄声」が変化する(大きい)。
そして、「仄声」は、細かく「上声」、「去声」、「入声」に分けられます。
それぞれに二つの音域があるので、全部で8つの声調がある、というわけですね。
中国音韻学との関係
中国語学習者として、見ておきたいのは、この分類の仕方ですね。
「平声」、「上声」、「去声」、「入声」という分類、以前取り上げたことがあります。
この分類は、伝統的な中国語の四声とされてきたものです。
まさか、それがベトナム語でも同様に分類されているとは、本当にびっくりしました。
中国語学習者としてのアドバンテージ
さて、ベトナム語を学習する際に、中国語学習者は有利かもしれません。
ベトナム語の声調が四声で分類できるということは、ベトナム語の声調が中国語の声調と対応している可能性があるということです。
現代ベトナム語の70%もの語彙が漢越語ということは、ベトナム語の7割もの単語の声調が中国語を通して分かるということです。
中国語学習者にとって、語彙を覚える時に声調も同時に覚えなければいけません。そしてそれは慣れない学習者にとっては非常に大変なことです。
その手間が省ける、もしくは声調をある程度類推することができる、というのは学習者にとっては大きなアドバンテージになると思っています。
中国語を理解する、ということは単に普通話のみを話せるようになることではありません。中国語を理解すると、中国国内の言語事情や周辺国への理解も深まります。
ぜひ、ベトナム語にも興味を向けてみてはいかがでしょうか。
最後に、ベトナム語八声調説を解説してくださっている動画を貼っておきます。