ちゃいぺるブログ

中国語とタミル語を中心に、外国語学習の情報を発信します

「あなたは中国人ですか?」を振り返ってみる

こんにちは。

日本人が海外でよく聞かれる言葉の一つが、

「あなたは中国人ですか?」でしょう。

最近、筆者は日本で中国語で聞かれました。反射的に中国語で「違います」と返してしまい、相手を混乱させてしまいました。

こんなことがあり、今まで聞かれた状況をまとめてみようと思いました。

筆者は、これまでに至る所でこの言葉を聞かれました。

今回は、今まで聞かれたこの言葉を振り返ってみます。

 

ニュージーランド

筆者の記憶の中で、一番最初に聞かれたと思われるのは、ニュージーランドでした。

高校の時、ニュージーランドクライストチャーチで1年間留学をしていたのですが、当時はスマホもなく、パソコンも持っていなかったため、ネットがしたい時はインターネットカフェに通っていました。

インターネットカフェクライストチャーチの市の中心に多く点在していて、何軒か回ってみた結果、ある1軒に通うことにしました。

通う決め手になったのは、価格が安かったことと、店主がアジア系だったこと。

ニュージーランドは、人口の10%がアジア系ということもあり、クライストチャーチにもアジア系の移民が多くいました。

筆者が通っていたインターネットカフェの店主もその一人で、そこの客も心なしかアジア系の比率が高かったように思います。

店主はおっとりしていて、物静かな人でした。加えて、客には愛想がよく、筆者が初めて入店した時にも笑顔で対応してくれるような人です。

筆者がそこの店に通って4回目くらいになる頃、用事を終えて会計していると、いつも無口な店主が唐突に筆者に話しかけてきました。

「◯◯◯◯◯◯?」

耳慣れない言語でした。少なくとも英語ではありません。

聞き取れなかったので「ん?」と聞き返してみると、今度は英語で、

「Are you Chinese?」

と聞いてきました。

そう聞いてきた店主は、普段から優しい表情でさらに目を輝かせながら聞いてきました。その目はいかにも「仲間」に向けるような、期待を持たせたようなものでした。筆者は残念ながら華人ではないため、

「いいえ、日本人です」と答えるしかありませんでした。

店主は若干残念そうな表情をしましたが、その後も変わらず愛想良く接してくれたのでした。

 

イランで

筆者がイランを訪れたのは、2014年の2月のことです。

首都テヘランの空港に降り立ち、そこから2週間ほどかけてイラン各地を回りました。

訪れたのは、

首都のテヘラン

宿場町のカーシャーン、

「世界の半分」のイスファハーン、

詩と庭園の古都シーラーズ、

ゾロアスター教の聖地ヤズド

です。

イランは、当時観光客もそれほど多くなく、大多数のイラン人と顔立ちが違うこともあって、日本人は良くも悪くも目立ちます。

そのため、街中で声をかけられることは日常茶飯事で、挨拶や簡単な会話を交わした人数も数え切れません。

それでも、大多数の人が親切心や興味を持って声をかけてきてくれていて、危険をあまり感じないのがイランの良いところ。

そんなイランでは何度も「あなたは中国人ですか?」と聞かれました。

 

宿の中国人

ある時には、最初に泊まった宿で聞かれました。

聞かれた相手は、同じ宿に泊まっていた中国人2人組。

一日目テヘランに到着し、宿に荷物を置いたあと、宿の一階で夕食を摂っている時に聞かれたのでした。

イランに限らず、海外でモンゴロイド系の顔立ちの人と会うと、妙に安心感を覚えます。

彼らと顔を合わせた時も、アジア系の人を目の前にして驚いた表情と、同時に安心感から笑顔が溢れていました。そして、お互いに習慣的に会釈をするのです。頭を下げるタイミングが合うと、妙に仲間意識が芽生えるのは不思議なものです。

彼らもそう感じたのでしょうか、会釈を交わした後、筆者が席に着くなり、尋ねてきました。

「你是中国人吗?」(あなたは中国人ですか?)

話を聞けば、彼らも筆者と同じ日にイランに到着したようで、イランに出稼ぎに来たようでした。人当たりがよく、いろんなことに興味を持っていました。

彼らと言葉を交わしたのは、その時だけでしたが、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

 

世界遺産の子供

ある時には、世界遺産の庭園を観光しているときに聞かれました。

カーシャーンだったか、シーラーズだったか、世界遺産の庭園を観光していた時のこと。

朝早くに観光していたように記憶していますが、夫婦と思わしき人たちや家族連れの観光客で賑わっていました。

イランは国内旅行が盛んな国。家族でのピクニックや旅行は割と頻繁に見られます。

その中でも特に多かったのが、遠足の子供たち。庭園内を集団で駆け回っていました。

こうした時、イランでは珍しい東洋人は、好奇心の強い子供たちの注目の的になります。ただ、イランの子供たちは大人しいもので、すれ違いざまや少し距離の離れたところから「ハロー」と挨拶されるくらいでした。

少しはにかみながらも、まっすぐこちらを見て、ちょっと笑顔で挨拶する子供たちは、とても愛くるしく、庭園の美しい景色と相まって癒されていました。

その中で、ひとりこちらに話しかけてくる子がいました。

「چینی هستید؟ Chin-i hastid?」(あなたは中国人ですか?)

そう話しかけてきた子は、大きな眼を輝かせながら、好奇心に満ちた顔でした。

「نه، من ژاپنی هستم Na, man japon-i hastam」(いいえ、私は日本人です)

旅行前に勉強して、付け焼き刃のペルシア語で返事をしてみると、

「ژاپن!؟ Japon!?」

と大きな眼をさらに大きくして驚いていました。

筆者の勝手な予想ですが、この子は中国と日本の関係や、場所なんかもそれほど理解していないと思います。それでも、小さな子供にとって、「中国」や「日本」というイランからしてみれば遠く東にある国は、その響きだけで刺激になるようです。

 

「あなたは中国人ですか?」という質問は、聞く人や聞かれる場所などによっていろんな心情が読み取れます。