こんにちは。
今回は、中国の少数民族の言語と文字についてご紹介します。
中国にある言語と文字の種類
ご存知の通り、中国は多民族国家です。
政府が認定している民族だけで56の民族があります。
そんな中国で話されている言語数は80以上、文字の種類は30を超えるようです。
中国の少数民族の文字
世界に存在する言語の中で、圧倒的に多いのが、文字を持たない言語です。
言語はあくまでも口語が受け継がれてきたもので、文字で記録に残す、ということは少なかったようです。
その中で、中国の少数民族では文字を持つ言語が比較的多いです。
しかもそれが現代まで残っているものが多いです。
中国の少数民族の文字は、以下のグループに分けられます。
1.漢字系
中国はやはり漢字の影響が強い国です。
漢族以外の少数民族にもその影響は強く、漢字を変形させたりして表記するようになった文字が多いです。
その代表的なものが彝族の彝文字です。
元々は、漢字と同様に表語文字として使用されていましたが、使用される地域により文字も異なっており、統一されていませんでした。
そこで、中国政府により規範化され、四川省の大涼山を標準とする涼山規範彝文が作られました。
2.ラテン文字アルファベット系
アルファベットで表記される少数民族の文字も多いです。
これは、元々文字を持たなかった言語や文字を使わなくなった言語に対して、近年になって中国政府が規範化したものです。
アルファベット系の文字で人口が多いのは、チワン語でしょう。
元々は古壮字と呼ばれる漢字を改良した文字を使用していましたが、あまり普及することはありませんでした。
そこで、ラテン文字を使って表記することにしました。
ピンインとは違い、音節末のアルファベットを使って声調を表します。
3.アラビア文字系
一番有力なのは、ウイグル語でしょう。他にもカザフ語、キルギス語、ウズベク語などの表記にも使われます。
面白いのは、本来アラビア語とウイグル語は、全く違う系統の言語にも関わらず、表記上はアラビア文字で表記していることです。
漢字における中国語と日本語の関係に似ていますね。
4.チベット文字系
中国の少数民族言語を語るのに欠かせないのがチベット系の文字です。
チベット語の他にも、チベット語系のその他の言語の表記にも使われます。
5.モンゴル文字系
中国の東北部、内モンゴルではモンゴル系の少数民族が多い地域です。
その他の民族の表記には、モンゴル文字を改良した文字を使用しています。
6.タイ文字系
西双版納に住むタイルー族と徳宏に住むタイナー族では、使用する言語も文字も違います。
タイやラオスの文字とも違い、民族によって異なる文字を使っているのが、この系統の民族言語の特徴です。
7.象形文字系
中国に数ある文字の中でも、一際印象的なのが、象形文字系でしょう。
雲南省のナシ族が使うトンパ文字は、現在も使用されている唯一の象形文字と言われています。
主に宗教関係の記録などに用いられているようです。
まとめ
今回は、中国での少数民族言語をタイプ分けしてみました。
いかがでしょうか。
今後はそれぞれの文字や言語についても詳しくみていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。