こんにちは。
今回は、中国の広西チワン族自治区、桂林と柳州の方言の違いをご紹介します。
広西チワン族自治区の方言
中国・広西チワン族自治区の方言は大きく2つに分けられます。
広西チワン族自治区の北部は、「桂柳話」と呼ばれる方言を話します。
官話の方言で、普通話に比較的近い方言です。
広西チワン族自治区の南部は、「白話」と呼ばれる方言を話します。
粤語の方言で、広東語に比較的近い方言です。
同じ「桂柳話」でも違う方言
さて、今回のテーマは桂林と柳州の方言の違いですが、これらの地域はどちらも「桂柳話」と呼ばれる方言を話します。
ただ、桂林と柳州では同じ「桂柳話」でも全く違う方言を話します。
一番の違いは発音にあり
歯茎音(j / q / x)は、カ行とハ行の音( g / k / h )に変化
これらの方言の違いは、ズバリ発音です。
実際に発音を聞くのが、一番早いので、こちらをご覧ください。
こちらの動画を見て、何か気づくことはありませんか?
普通話では舌先の音(歯茎音:j / q / x)が、それぞれカ行とハ行の音( g / k / h )になっているのです。
例えば:
普通話 → 柳州話
- 喜欢 xi huan → hi huan
- 老乡 lao xiang → lao hiang
- 讲 jiang → giang
- 家乡 jia xiang → gia hiang
- 交通 jiao tong → giao tong
- 几多 ji duo → gi duo
- 机会 ji hui → gi hui
- 感觉 gan jue → gan gue
普通話の jie は gai に変化
もう一つ、柳州話の大きな特徴として、普通話の jie が gai に変化するというものがあります。
例えば:
- 介绍 jie shao → gai sao
- 世界 shi jie → si gai
- 了解 liao jie → liao gai
感覚としては、日本語で「かい」と発音するもので、なおかつ普通話で「jie」と発音するものは、「gai」に変化します。
これは、日本語話者からすると、かなり親近感が湧くのではないでしょうか。
筆者は湧きました。
これらの特徴は桂林話にはない
そして、上にあげたこれらの特徴は、桂林話には見られません。
せいぜい、そり舌音をなくして、声調を桂林話の声調に変化させたくらいです。
桂柳話の声調については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
上にもあげたように、柳州話は文法やベースとなる発音は、官話が基本となっていますが、かなり広東語に近い発音に聞こえます。
柳州話の動画を見たときには、官話と広東語をミックスさせたような方言だと感じました。
対して、桂林話は柳州話に比べると、かなり官話の要素が強いです。
声調や使う単語などは柳州話と同じでも発音がかなり違います。