ちゃいぺるブログ

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北部方言の母音"o"は唇を丸めない【中国語】

こんにちは。

今回は、中国語の母音についての記事です。

以前、母音"o"についての記事を書きました。

 

tutty527.hatenablog.com

今回の記事は、この記事に少し内容を加えて書いていきたいと思います。

 

 

普通話の母音"o"の本質は、"uo"

以前の記事でも書いたように、"o"は基本的には唇音"b"、"p"、"m"、"f"の後にしか置かれません。

単独でも使われますが、「哦」や「噢」などの感嘆詞くらいしか現れません。

 

中国語の学習を始めたばかりで母音を学習する際には、"o"は特に気をつけるべき母音とも扱われないことがほとんどです。

言われるとすれば、「日本語の"オ"よりも口を突き出して発音する」のように書かれているのではないでしょうか。

実際に、「哦」などの単独で現れる"o"をキチンと発音するならば、その説明でも間違っていないと思います。

 

ですが、"bo"、"po"、"mo"、"fo"の"o"は、実は"o"と発音されません。

 

以前の記事にもあるように、実際には、このように発音されます。

"bo" → "buo"

"po" → "puo"

"mo" → "muo"

"fo" → "fuo"

 

"o"が子音の後に発音される場合は、"uo"と同様に発音されます。

"uo"は、初めの"u"で唇を突き出し、"o"にかけて徐々に口を開けていくイメージで発音しますが、唇音が唇をくっつけて発音する特性からか、"o"の発音が"u"に引っ張られるようです。

結果、"u"から"o"に移るにつれて徐々に円唇度合いが薄れ、最終的にはシュワーに近い音になります。

 

北部方言?の発音

中国北方の人と話していてよく感じるのは、この"o"の発音がまた"uo"とは異なるということです。

彼らの発音はこのようになります。

 

"bo" → "be"

"po" → "pe"

"mo" → "me"

"fo" → "fe"

※"e"は"エ"ではなく、ピンインの"e"の発音〜シュワーに近い音

 

彼らの発音では、"o"は完全に非円唇化しています。

完全に"o"のイメージからはかけ離れて、唇を丸める音ではなくなっています。

本当は、音源などがあるとわかりやすいのですが、探しきれませんでした。

 

これまで、中国東北(黒竜江省吉林省遼寧省)方言の発音だと思っていたのですが、他にも天津、青海省の人からもこの発音が確認できました。

そのため、中国北方方言の発音なのかな、と思います。

中国南方出身の人からは確認できていません。