こんにちは。
今回は、前回の記事に続いて、タミル語の話です。
以前勉強していた時は、発音の壁で一度学習をやめてしまっていました。
タミル語の発音
タミル語に限らず、インドの言語は反り舌音が多い傾向にあります。
まずは、タミル語の発音を見てみます。
母音
wikipediaから引っ張ってきました。
タミル語の母音は、基本の「a、i、u、e、o」とその長母音があります。
それに加えて、「ai」、「au」があるので、全部で12種類あります。
子音
こちらがタミル語の子音です。
wikpediaから引っ張ってきましたが、英語版の方が正確な気がするので、英語版も貼っておきます。
タミル語の発音の特徴
「ラ」が5つある
タミル語の発音で最も特筆すべきなのは、「ラ」が5つあって、それぞれを意味の区別に使っている(それぞれが音素である)ということでしょう。
英語はご存知の通り、「L」と「R」の2種類。
中国語も、「L」と「R」の2種類です。
このように、学習者にとって鬼の難易度となる「ラ」の発音ですが、手持ちの教材ではあまり詳しく解説されていません。
それで、一度それぞれの発音を洗い直してみようと思い、英語版のwikipediaと発音記号を照らし合わせながら、発音の仕方をメモることにしました。
字が汚くて、ここに貼るのも恐ろしいのですが、一応貼っておきます。
このメモを頼りに、発音に気をつけながら、繰り返し発音することで定着させていっています。
また、ありがたいことに、これらの発音の仕方について、解説してくださっているブログがありました。
この解説がめちゃくちゃわかりやすい!
舌の位置が図解されていて、それぞれの発音のイメージが掴みやすいです。
そり舌音の本質(タミル語・中国語)
タミル語に限らず、インドの言語は、そり舌音が多いです。
そり舌音といえば、中国語にもありますね。
中国語のそり舌音も学習者にとっては壁になりますが、タミル語をやると、そり舌音の本質が見えてくる気がします。
それは、「舌先の裏側を使う」ということ。
全てのそり舌音は、舌先の裏側を近づけたり、引っ付けたりして発音されます。
例えば、タミル語には「タ」が2つあります。
- 「த」(ta):この「タ」は、舌先の「上側」を歯の根元にくっつけて発音します。
- 「ட」(t'a):この「タ」は、舌先の「裏側」を上顎のギザギザした部分の少し上にくっつけて発音します。
中国語のそり舌音も見てみましょう。
例えば、中国語の「shi」と「ri」。
- 「shi」:中国語の「sh」の音は、舌先の「裏側」を上顎のギザギザした部分の少し上くらいに近づけて空気を摩擦させながら発音します。
- 「ri」:中国語の「r」の音は、「sh」の音を濁らせながら(有声音で)発音するとできます。(声帯を震わせながら)
二つの舌の位置はこんな感じ。
中国語のそり舌音には、学習を開始した当初は苦労させられましたが、タミル語を勉強してみて、その本質が少し分かった気がします。
筆者は、多言語学習の醍醐味は、ズバリここにあると考えていて、一つの言語だけ勉強していると見えないことも、他の言語に触れてみることで、元々勉強している言語の解像度が上がることがしばしばあります。
これはデイビッドエプスタインの「RANGE」にも通じることだと考えています。
語学に限らず、回り道をしたことで、結果的に元々取り組んでいた物事の助けになることが少なからず起こります。
これからも、毎日少しずつ、いろんな言語を楽しんで学習していきたいと思います。