ちゃいぺるブログ

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日本語にも現在完了と進行の区別はあるよ、という話【長崎・島原方言】

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こんにちは。

今回は、日本語の進行と持続の区別についての記事です。

 

「〜している」が持つ意味

皆さん、こちらの文についてどう思いますか?

例えば、

  1. 私は中国語を5年間勉強しています。
  2. 私は今家で中国語を勉強しています。

この二つの文の「勉強しています」は同じ意味でしょうか。

実は、この二つの「勉強しています」は全く異なる性質のものです。

1は、5年間勉強を続けている、という継続の意味になります。

これは、英語でいえば現在完了の概念です。

対して、2は、今この瞬間中国語を勉強している、という進行の意味になります。

英語でいえば現在進行の概念です。

英語では、現在完了と現在進行を区別して表現しますが、日本語の共通語(標準語)では同じ「て形+いる」で表します。

そのため、英語でこの二つの概念を学んだときに理解するまでに時間がかかったりするのではないでしょうか。

 

日本語でも方言では区別して表現する

しかし、実は日本語でも方言では区別して表現します。

筆者が知っているのは、長崎の島原方言です。

島原方言では、下のように表現します。

  1. 中国語ば5年間勉強しとる。
  2. 今家で中国語ば勉強しーよる。

上の共通語を島原方言に直すと、このようになります。

現在完了にあたる表現は、島原方言では「しとる」

現在進行にあたる表現は、島原方言では「しーよる」

 

この二つを区別するのは、特に西日本の方言には多いそうです。