ちゃいぺるブログ

中国語とタミル語を中心に、外国語学習の情報を発信します

タミル語の歌詞を一部翻訳してみる。『Pudhidhaai』(புதிதாய் - 映画『Mudhal Nee Mudivum Nee』より)

みなさん、こんにちは。

今回は、タミル語の歌詞を一部だけ翻訳してみます。

このブログでは初の試みです。

筆者のタミル語レベルは、まあ日本語でいうN5よりも低いと思います。

なので、自分の勉強を兼ねて、また、タミル語の文型などをまとめた情報があまりにも少ない現状を見かねて、チャレンジしてみようと思います。

タミル語映画『Mudhal Nee Mudivum Nee』の挿入歌

今回挑戦する曲は、映画の挿入歌です。

映画の題名は『Mudhal Nee Mudivum Nee』(முதல் நீ முடிவும் நீ)。

インド・タミル・ナードゥ州の青春映画です。

www.youtube.com

舞台は1990年代後半のクリスチャンスクールに通う高校生のお話です。

思春期の高校生たちによって、甘酸っぱさ全開の学校生活が繰り広げられます。

文化的に遠く離れたインドといえど、どこか懐かしさや共感できる部分が多いと思います。

後半は、大人になった彼らが登場します。学生生活で残した様々な思いを、大人になってどう回収するのかがこの映画の見どころです。

日本ではまだ上映していないようなので、残念ながら字幕は英語しかありませんが、それでも楽しめる作品だと思います。

インド映画に多い、ダンスシーンはなかったと思います。

 

そして、今回翻訳に挑戦するのは、この映画の挿入歌です。

曲名は『Pudhidhaai』(புதிதாய்:意味はたぶん「もう一度」)

www.youtube.com

こちらにMVのリンクを貼っておきます。

MVの映像を見るだけでも楽しめるかもしれません。

いかにも青春映画のワンシーンという感じで、見ているこちらがニヤニヤしてしまいます。

 

歌詞を翻訳してみる

さて、いよいよ歌詞を翻訳してみます。

今回翻訳に挑戦するのは、1番の歌詞です。

タミル文字の下に、ローマ字の発音表記も併せて書いておきます。(ローマ字表記はgoogle翻訳から引っ張ってきています)

 

『Pudhidhaai』1番歌詞

Aメロ:

ஏன் இது போலே என் நேற்றும் இல்லை?
Ēṉ itu pōlē eṉ nēṟṟum illai?

ஏன் எனைப்போலே இங்கு நானும் இல்லை?
Ēṉ eṉaippōlē iṅku nāṉum illai?

ஒரு வேளை மனதை இன்றே திறந்தேன் தானா?
Oru vēḷai maṉatai iṉṟē tiṟantēṉ tāṉā?

ஒரு வேளை பாடம் யாவையும் மறந்தேன் தானா?
Oru vēḷai pāṭam yāvaiyum maṟantēṉ tāṉā?

ஒரு வேளை வேடர் போல் அது உரைந்தேன் தானா?
Oru vēḷai vēṭar pōl atu uraintēṉ tāṉā?

நான் நான் இதுவா இதுவா..
Nāṉ nāṉ ituvā ituvā..

 

サビ:

நான் போகும் திசையும் நான் கேட்ட இசையும்
Nāṉ pōkum ticaiyum nāṉ kēṭṭa icaiyum

உன்னோடு நடந்தால் புதிதாய் புதிதாய்
uṉṉōṭu naṭantāl putitāy putitāy

காணாத கனவை சுமை கொல்லாத உறவை
kāṇāta kaṉavai cumai kollāta uṟavai

உன்னோடு இருந்தால் உலகே புதிதாய்
uṉṉōṭu iruntāl ulakē putitāy

 

日本語訳(1文ずつ)

さて、では一文ずつ翻訳してみます。

なお、タミル語の歌詞は、表記にばらつきがあるため、筆者のほうで一番近いだろう、という表記に基づいて翻訳しています。

 

Aメロ:

ஏன் இது போலே என் நேற்றும் இல்லை?
Ēṉ itu pōlē eṉ nēṟṟum illai?

なんで昨日もこうじゃなかったんだろう?(=なんで昨日と違うんだろう?)

  • ஏன்:なぜ
  • இது போலே:このような
  • என் நேற்று:私の昨日
  • -உம்:〜も
  • இல்லை:否定 / ない

ここは意味を取るのが難しかったです。なんとなくのニュアンスは分かるのですが・・・

 

ஏன் எனைப்போலே இங்கு நானும் இல்லை?
Ēṉ eṉaippōlē iṅku nāṉum illai?

なんで私らしくここにいられないんだろう?

  • எனைப்போலே:என்னை+போலேかな?私のように/らしく
  • இங்கு:ここ
  • நான்:わたし

なんとなく存在と感覚がずれている感じで、ふわふわ地に足がついていない感じなのかな?

 

ஒரு வேளை மனதை இன்றே திறந்தேன் தானா?
Oru vēḷai maṉatai iṉṟē tiṟantēṉ tāṉā?

もしかして今日、心を開いたのかな?

  • ・ஒரு வேளை:もしかして、ひょっとして
  • ・மனதை:心を(மனசு:心)
  • ・இன்று:今日(இன்றேは強調)
  • ・திறந்தேன்:開いた(私が)(திறは原形、グループ7)
  • ・தானா:かもしれない / かな?みたいなニュアンス

 

ஒரு வேளை பாடம் யாவையும் மறந்தேன் தானா?
Oru vēḷai pāṭam yāvaiyum maṟantēṉ tāṉā?

もしかして授業をすっかり忘れちゃったのかな?

  • ・பாடம்:授業、クラス
  • ・யாவையும்:全部、すっかり(google翻訳より)
  • ・மறந்தேன்:忘れた(私が)(மறが原形、グループ7)

 

ஒரு வேளை வேடர் போல் அது உரைந்தேன் தானா?
Oru vēḷai vēṭar pōl atu uraintēṉ tāṉā?

もしかしてハンターみたいに話しちゃったかな?

正直、ここはよくわからないです…。

歌詞もサイトによってバラバラで、ネイティブ本当に聞き取れてる?と聞きたくなります。

veetarのところがviidat tholに聞こえるんですよね。

だれか意味が取れる方がいらっしゃいましたら、教えてくださいますと嬉しいです。

 

நான் நான் இதுவா இதுவா..
Nāṉ nāṉ ituvā ituvā..

これが、これがわたし?

ここの解釈が難しすぎますが、たぶん自分の中の変化に困惑している気持ちをあら渡しているのかな、との解釈です。

  • ・வா:疑問詞〜ですか(ithuのuのあとに付く場合、-v-が挟まる)

 

サビ:

நான் போகும் திசையும் நான் கேட்ட இசையும்
Nāṉ pōkum ticaiyum nāṉ kēṭṭa icaiyum

わたしが進む方向も、わたしが聞いた音楽も

  • ・போகும்:行く(連体形、現在)(போが原形、グループ3b)
  • ・திசை:方向、方角
  • ・கேட்ட:聴いた(連体形、過去)(கேள்が原形、グループ5b)
  • ・இசை:音楽

 

உன்னோடு நடந்தால் புதிதாய் புதிதாய்
uṉṉōṭu naṭantāl putitāy putitāy

あなたと歩けば、何もかも新しい

  • ・உன்னோடு:あなたと一緒に(உன்:二人称、-ஓடு:〜と一緒に)
  • ・நடந்தால்:歩けば、歩いたら(நடが原形、グループ7)
  • ・-ஆல்:〜たら(過去語幹接続)
  • ・புதிதாய்:もう一度、新しい

曲名である「pudhidhaai」をどう訳すか迷いましたが、普通の高校生だった女の子が好きな男の子と出会って、世界が違って見える心情を優先しました。

 

காணாத கனவை சுமை கொல்லாத உறவை
kāṇāta kaṉavai cumai kollāta uṟavai

見えなかった夢を、甘えすぎない関係を

  • ・காணாத:見えなかった(連体形、過去)(காண்が原形、グループ5)
  • ・கனவு:夢を(கனவு:夢)
  • ・-ஐ:〜を
  • ・சுமை:負担
  • ・கொல்லாத:持たない、背負わない(連体形、過去)(கொள்が原形、グループ4)
  • ・உறவை:関係を(உறவு:関係)

後半は直訳すれば「負担がない関係」ですが、依存しすぎないという意味なのかな、という解釈です。

 

உன்னோடு இருந்தால் உலகே புதிதாய்
uṉṉōṭu iruntāl ulakē putitāy

あなたといれば、世界が新しい

  • ・இருந்தால்:いれば、いたら(இருが原形、グループ7)
  • ・உலகு:世界

 

日本語訳1番まとめ

Aメロ:

なんで昨日と違うんだろう?

なんで私らしくここにいられないんだろう?

もしかして今日、心を開いたのかな?

もしかして授業をすっかり忘れちゃったのかな?

もしかしてハンターみたいに話しちゃったかな?(?)

これが、これがわたし?

 

サビ:

わたしが進む方向も、わたしが聞いた音楽も

あなたと歩けば、何もかも新しい

見えなかった夢を、甘えすぎない関係を

あなたといれば、世界が新しい

 

曲調と挿入歌が流れるタイミングでなんとなく感じていましたが、歌詞をしっかり見ると、やはり思春期の女の子の心情が描かれていますね。

ポップな曲調と相まって、とてもかわいらしい曲です。

今後も、機会があればタミル語の歌詞を翻訳してみようと思います。