こんにちは。
筆者は、実は映画を見るのが好きです。
ジャンルはヒューマンドラマやドキュメンタリー的な要素を含んだものが好きで、中国、イランをはじめとして国や地域を問わず観るようにしています。
今回はお気に入りの映画をご紹介します。
独裁者と小さな孫
今回ご紹介する映画は、「独裁者と小さな孫」です。
この作品は、イランの巨匠、モフセン・マフマルバフが手かけた作品です。
モフセン・マフマルバフといえば、「カンダハール」が有名ですね。
この映画の面白いところは、ジョージア(グルジア)・イギリス・フランス・ドイツの合作映画になっているところです。
モフセン・マフマルバフは、この映画について、「ひとつの国のひとつの問題ではなく、どこの国でもありえる物語として撮りたかった」と話しています。
この制作国の顔ぶれを見ても分かるとおり、いろんな国で起こりうる出来事を描いています。
監督はイランの方ですが、映画の言語自体はグルジア(ジョージア)語です。
この映画は、革命を題材にしているため、グルジア(ジョージア)が独立するときの革命を経験したとの理由で、グルジア(ジョージア)が舞台に選ばれたようです。
また、イランもまた革命を経験した国です。
モフセン・マフマルバフは、イランのイスラム革命が連想されるものとしても挙げています。
また、この映画が公開された後、ウクライナ騒乱が発生し、まるでこの映画のような出来事が起きました。
モフセン・マフマルバフは、この映画を通して、"独裁者が引き起こす悲劇"と"暴力革命が引き起こす悲劇"を描いています。
どの国でも起こりうる悲劇として、世界中の人々に受け入れられる内容になっていると感じました。
あらすじ
この映画は、大統領が国中の電気を自分の好きなようにつけたり消したりするところから始まります。
ある日、独裁国家で民衆暴動が発生し、独裁政権が崩壊します。亡命する後妻や娘から「一緒に亡命しましょう」との勧めを断った大統領は、孫と一緒に亡命せずに首都に戻ります。
しかし、首都はすでに陥落しており、2人は旅芸人に扮して国内脱出を目指して逃亡します。
逃亡の途中で、
元大統領は規律が緩み略奪を働く兵士たちと彼らに強姦される花嫁
革命で財産を失い難民となった富豪
自身を憎み血眼になって探す民衆たち
などを目にし、自分が政権を握っていた頃に犯した罪と、国の混乱の責任を感じ始めます。
その後、協力者の待つ海岸に辿り着きますが、そこで追ってきた民衆や革命軍に捕まってしまいます。
果たして2人の運命は--