こんにちは。
今回は、中国の指数字についての記事です。
特殊な中国の指数字
中国語を学習されている方はご存知かもしれませんが、中国の指数字はかなり特殊です。
こちらのVOGUEの記事で70カ国の指数字について紹介されています。
数えている様子の動画もありますので、ぜひご覧いただきたいのですが、それぞれ指を折って数えたり、指の本数を指しながら数えたりしています。
6以上の数字になると、両手の指を使って10まで数えています。
その中で一際異彩を放つのが、中国の数え方。
中国に限らず、世界中の華人社会で多く使われているのが、この数え方で、片手で10まで数えることができます。
指数字と漢字の関係
中国の指数字が片手で10まで数えることができるのは、漢字と関係あるのではないかと考えられます。
上の図は、甲骨文字の数字と指数字の関係を示したものです。
中国の指数字の特殊なところは、6以上から発揮されますが、上の図を見るとなぜ片手で数えるのかが見えてきます。
指文字と甲骨文字の形がとても似ていることに気づくと思います。
漢字よりも古い?
中国の骨董品コレクター向けメディアの一つである「収蔵快報」の連載記事では、このように書かれています。
「“一”“二”“三”“四”“五” “六”“七”“八”“十”在石器、陶器上都已经见到,只有“九”还尚未见到,但应该已经造出来了,只是没有见到罢了。由此可见,表示汉字的数字是由手势而来的,形成于新石器时代。」
(“一”“二”“三”“四”“五” “六”“七”“八”“十”は、石器や陶器に見られるが、“九”のみまだ発見されていない。しかし、造られてはいるはずで、まだ見つかっていないだけであろう。このことから、漢字の数字は、指数字から来ており、新石器時代に形成されたということが分かる)
ということは、指数字は漢字よりも古い歴史を持っていることになります。
これが本当かどうかは、きちんと検証しなければなりませんが、いずれにしても漢字の成り立ちと深い関係があると言えそうです。
中国の指数字には地域差がある
そんな指数字ですが、実は地域によって差があります。
上で紹介したのは、中国の北方の数え方。
南方だと数え方が少し違います。
南方だと、「7」の数え方が北方と違っていますね。
北方の「8」と同じ指の構えですが、南方の「7」は、人差し指を下に向けます。
これは、アラビア数字の「7」を指で表していると言われています。
そして、南方の「8」は、北方より指が一本多いです。
これは南方の「7」と区別するためだと考えられます。
いかがでしたでしょうか。
中国の指文字、慣れないと咄嗟にできないかも知れませんが、慣れると早く数えることができます。