こんにちは。
今回は、中国語の「了」についての記事です。
中国語の「了」
中国語学習者ならば、ほぼ見たことのある「了」ですが、学習者にとっては使いこなすのが難しいと言われています。
中国語の「了」は、過去形を表すと思われていることが多いですが、中国語には時制(過去形・未来形など)はありません。
では、「了」は何を表すのでしょうか。
実は、中国語の「了」には大きく2つ役割があります。
「了1」
一つは、「動作の完了や実現」です。
この役割の「了」は、動詞のすぐ後につきます。
例えば、
我昨天买了三本书。(私は、昨日本を3冊買った。)
明天下了班,我去长野爬山。(明日仕事が終わったら、長野に登山に行く。)
のように使われます。
上の例文では、それぞれ「買う」、「仕事が終わる」という動詞が完了もしくは実現したことを表しています。
動詞が実現したことを表すので、日本語の「〜した」と訳されることが多いですが、上の例文にもあるように、「明日」など未来のことにも使えます。
「了2」
二つ目は、「変化や新しい状況の発生」です。
この役割の「了」は、文末につきます。
例えば、
已经十二点了,你快睡觉吧。(もう12時だ。早く寝なよ。)
我明天不去爬山了。(明日登山に行かないことにした。)
のように使われます。
上の例文では、「了」の前までの部分全体が新しい状況になったことを表しています。
この「了」は、語気助詞的に使われるため、「已经十二点」のように一見、動詞がない文にも使えますし、「明日」など未来のことにも使えます。
方言では?
上では、普通話での「了」について書きましたが、当然方言にも同様の文法があります。
面白いのは、方言によって表現がバラバラだということです。
ここで、方言ごとに挙げていきます。
広東語
広東語は、「咗」と「喇」を使います。
使い分けとしては、
了1:「咗」
了2:「喇」
となります。
よく使われる表現で、「食咗飯沒呀?」があります。
日本語だと、「ご飯食べましたか?」の意味です。
上海語
了1、了2ともに、「了」を使うようです。
閩南語
閩南語は、「矣」を使います。
了1、了2ともに、「矣」を使うようです。
助詞は、方言ごとに大きく差が出ます。
文法や発音、使い方など、方言ごとにバラバラです。
また、上の方言では、大きな区分での方言を元に調べています。
下位分類の方言(地域や村ごと)では、さらに色々な違いがありますので、それらを調べていくのも面白いと思います。