こんにちは。
今回は、長崎弁についてのお話です。
長崎弁(島原弁)については、以前にも記事を書いていますので、よければ読んでやってください。
非母語話者にとっての難関「たい」と「ばい」
上の過去記事にもあるように、筆者の母語は岐阜弁と長崎弁のミックスです。
ですが、ミックスであるが故に、筆者の長崎弁はいわゆるネイティブレベルにはほど遠いです。
特にわからないのが、「たい」と「ばい」の違いです。
なので、「たい」と「ばい」の違いについて、調べてみました。
今回、参考にしたのが、前田昭彦先生の「長崎方言におけるタイとバイの意味論的差違」です。
「たい」と「ばい」が持つニュアンスや意味合いについて、分かりやすくまとめてくださっています。
長崎弁の「たい」と「ばい」
長崎弁の「たい」と「ばい」は、長崎弁の象徴的と言っても良い表現ではないでしょうか。
- 「これはうまかばい」
- 「これはうまかたい」
のように、文末に使用される、感情や意図を表現する助詞です。
どちらも、共通語では「〜だよ」のような意味を持つ助詞ですが、使い方に微妙な違いがあります。
参考にさせていただいた前田先生は、「たい」と「ばい」の本質をこのように書かれています。
- 「たい」:話者が聞き手との情報共有を想定することを基本として使用される。確認、共有を指向する心理を表現する。
- 「ばい」:話者が聞き手にとって初出の情報であると想定することを基本として使用される。新情報の提出という意識から必然的に派生する主張、さらに断言の心理の表現となり、さらに、自己自身への新情報としての納得ともなる。
分かりやすく例文を使って説明すると、このようになります。
- 「これはうまかたい」:
例えば、2人の人物が同じものを食べているとすると、話し手が聞き手に共感を求めているようなニュアンスを持ちます。共通語でいえば、「これはうまいね」となるでしょうか。
- 「これはうまかばい」:
こちらは、単に自分の意見を述べているだけのニュアンスになります。共通語では、「これはうまいよ」が近いでしょうか。
今回は、メモのような感じで書きました。